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林世宝の原点 絵画について 

私の作品は、中国の禅に西洋の美学を融合して、その中に霊性を加味することを目標としています。東洋文化の精髄を中心にすえ、外来文化をも吸収した、東西文化の融合である新時代文化を創造し、時間と空間を超越した作品で人々を感動させたいと考えるのです。 「人間の心の最高の境地は円である」というのが私の信念であります。円は、人間が作ったものではない自然の形のシンボルであり、永遠の形なのです。 地球や月が太陽を中心に弧を描いていることは誰もが知っていますが、どうしてすべて円なのでしょうか。  私はこの宇宙全体を司っているものは、すべて丸いもののように思えるのです。そして、人間は丸いものの中心に向かって一生懸命生きている、草や木、山や川、そして石さえも、みんなみんな丸いものの中心に向かって歩き続けていると思えてならないのです。  その中心にあるものは、目に見えない「原点」。つまり根底にある「こころ」。  これまでの作品にも、「原点」と名づけたものがいくつかあります。人の気持ちは刻々と変化しますが、根底にあるものは変わらないはず。そんな気持ちの「原点」をいつも大切にしたいと考えているのです。  

円(=無)から始まり、円(=無)に終わる。すべてのものは進化し、進化する人間の気持ちは円を求めている。円を求め、円に近づくと心は静寂になり、浄化される。 そうして、進・静・浄という流れは、真・善・美につながる。真はすなわち誠実であり、善は良心であり、美はすなわち諧和である。そして、真・善・美を合わせるとふたたび円になる。  現代科学の時代では、都会の緊張感、悩み、寂寥感、欲望、闘争心、暴力、恐怖心、人を信じられなくなるなどの感情が、様々な人間の摩擦や衝突から沸き起こっています。しかし、人間が本来求めているものは円であると思うのです。科学は理性であり、感性は人間の魂の表現です。この二つの本能を合わせると、人間は善い心を培うことができるはずなのです。  現代では、人間性が科学に埋没してしまっていることがよくあります。ボートも右と左のオールの力が違えばまっすぐには進めません。バランスが必要です。今、力を注ぐべきは心の栄養だと思うのです。  絵画などの芸術作品は無声の世界ではありますが、見る人に共感と感動をもたらすことができます。私の作品は、私自身が全身で直接受けて感じたことや訴えたいことの表現であり、夢の実現のための行動なのです。私はこれまで、絵筆に自分の思いや夢を託してきました。  人間の生活を、崇高な神の領域に近づけるものが芸術であり、芸術は人間の生活を高めるものでありたいと願います。その芸術の世界は広大であり、無限であるので、追求し尽くすことはないのです。私は、私の短い人生を永劫に続く芸術の真義に捧げることを使命と考えます。限りある命を不朽の芸術の中に投じたいと願うのです。「一生懸命」という言葉が好きなのですが、私は画家としての一生に命を懸けていきたいのです。  アーティストの夢は人間の心を埋めるためにあります。どうして夢が必要なのか、それは、人間の生命は欠陥だらけだからです。これまで私は、たくさんの夢をつくり、たくさんの欠陥を埋めてきました。  来世紀に向かって、人間の心を浄化する夢を共に築きあげましょう。  さぁ、みなさん是非アートに近づいてください。               

林世宝

 



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